3月29日(火)、東京商工会議所では第143回日商簿記検定試験(試験日 6月12日)の申込み受付が始まりました。
まだ、2月28日(日)に実施された第142回日商簿記検定試験の最終的な結果発表が出る前。年3回実施される日商簿記は慌ただしいですね。
すでに第142回試験の合格発表は各地の商工会議所で行われていますが(東京・横浜会場はまだです)、手元の集計によると現在平均合格率は日商2級が15%前後、日商3級が27%前後と予想され(第142回日商簿記検定2級・3級 合格発表速報 簿記検定WEB)、非常に厳しい結果となる見込みです。
特に、日商2級は第141回の合格率の全国平均が11.8%と信じられないくらい低い結果となってしまいました。
このように、第141回、第142回と連続して厳しい試験となってしまったことから、今後の日商簿記2級試験は気を引き締めて万全の準備を行って試験に臨むべきだと言えそうです。
ここでは、難しくなった日商簿記2級試験を確実に合格するための方法について少し考えてみたいと思います。
日商簿記2級に確実に合格する勉強法
1.合格目標は11月の第144回試験
最近の試験傾向から考えると、出題区分が改定され新しい試験として行われる日商2級は今後も難しくなることが予想されます。
少し前であれば、日商2級の試験対策は直前期に始めても間に合ったかもしれませんが、現在ではもうそれでは通用しません。日商簿記2級は難関試験であるという認識を持って、早めに対策を始めるようにしましょう。
今日3月29日時点では、まだ6月12日の試験日まで70日以上あります。しかし、それでも合格率が11%~15%という試験では、毎日4、5時間くらい勉強時間がとれる方でないと時間的に十分とは言えません。
そこで、専業受験生ではない会社員の方や主婦の方が確実に日商2級に合格したい場合は、6月の第143回試験ではなく、11月に実施される第144回試験を目標にされることをおすすめします。
2.簿記の勉強は3級から
日商簿記に限らず、簿記の試験は下位の級の範囲を上位の級が含みます。例えば、簿記2級は簿記3級の内容をベースにさらに範囲が広くかつ難しくなり、さらに簿記1級は3級や2級の内容をベースにして範囲が広くかつ難しくなっています。
したがって受験するかどうかは別として、日商簿記2級の合格を目指す場合は、必ずベースの日商3級から勉強しなければなりません。
最近は、日商3級も試験が少し難しくなってきましたが、それでも2級ほどではありません。しっかり勉強された方なら比較的短期間の学習期間でも合格を目指すことが出来ます。
そこで、11月(第144回)の2級試験の合格を目指す場合は、まずは3級を勉強して6月(第143回)の日商3級を受験することをおすすめします。
3.準備が不十分でも第143回の日商2級を受験しよう!
今から勉強を始めた場合、3級は合格レベルに到達するのに十分な時間が取れますが、2級では対策が不十分となってしまう可能性があります。
ただ、簿記検定は試験本番で電卓を使うため、試験を受験して経験を積んでおくことが非常に有効です。
そこで、今から勉強を始め
3級→2級
と進んで、2級の勉強が仮に不十分に終わったとしても、本来の目標である第144回試験の練習代わりに第143回試験も受験することをおすすめします。
4.日商2級受験計画
というわけで、ちょっと大変になってしまいますが
6月の第143回試験は日商3級と日商2級のダブル受験
→第143回日商3級合格
11月の第144回試験で本命の日商2級だけ受験
→第144回日商2級合格
というように計画を立て、勉強を進めていくのがおすすめです。
5.簿記の勉強の仕方
2009年~2013年の5年間にわたって、公認会計士試験委員を務められた、公認会計士の高田直芳先生は
私が初めて簿記を学んだとき、3級のテキストに書かれてある内容が、ちんぷんかんぷんでした。
それを乗り越えるために取り組んだのが、「写経」でした。
テキストに書かれてある仕訳を、とにかく書き写しました。
簿記は、頭で考えるのではなく、ペンを持つ指先に仕訳を覚え込ませることにあります。
「しいれ、くりしょ~、くりしょ~、しいれ」と呪文を唱えるように、膨大な数の仕訳を写経していくと、仕訳の意味するところが徐々に理解できるようになります。
習うより慣れよ、とはよく言ったものです。
とおっしゃっています。
私は社会人になってから簿記の勉強を始めたのですが、やはり簿記用語の意味に慣れるため、ノートに勘定科目を何度も書いて小学生の書き取り練習のようなことをしていました。そのため、高田先生のアドバイスには激しく同意します。
簿記はいくら内容を理解していても、試験で使えるレベルに達するには練習が欠かせません。仕訳や勘定科目を紙に書いて、簿記に慣れるように心がけてみてください。
6.どうやって勉強するか
非常にわかりやすい簿記の参考書が書店に並ぶ現在では、独学で勉強して合格される方も珍しくない時代になりました。
受験するかどうかに関係なく簿記の勉強は3級から始めるので、今まで全く簿記の勉強をしたことがないという方は、とりあえず3級のテキストを購入して読んでみることをおすすめします。
使用する教材は、過去に検討した結果から、以下の2冊をおすすめします。
みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級 商業簿記
スッキリわかる 日商簿記3級
▼Kindleならこちらのテキストがおすすめです。
パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級
おすすめテキストを使って簿記3級を勉強してみて、問題がスラスラ解けるようになれば問題ありませんが、独学ではちょっと無理そうだと思った方は早めに方針転換をしましょう。
その際は、『簿記の教科書』や『スッキリわかる』を教材として使用する独学者向けの通信講座(独学道場)があるので、こちらをおすすめします。
このようにして勉強を進めて6月の試験で3級に合格したら、次は11月の試験を目標に勉強を始めます。
最近試験が難しくなってきている日商2級に合格するには、専門学校等の通学講座に通って勉強するのが一番おすすめです。
ただ、仕事や家事に忙しく通学する時間がなかなか取れないという方は、3級でおすすめした独学道場などを利用しても良いでしょう。
まとめ
以上、日商簿記2級に確実に合格するための勉強法について考えてみました。
2級の試験が最近難しくなってきているのは事実ですが、それでもちゃんと勉強すれば確実に合格できます。
試験が難しいからといって怖がることなく、落ち着いて頑張っていきましょう。