新米パパの子育てエブリデイ

元高校教師が2児のパパに!小1の娘は2026年中学受験予定。サピックスに楽しく通塾中。年少の息子はレゴデュプロ三昧。日々のあれこれを書いていきます。

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出産時の痛みが緩和される無痛分娩についてちょっと調べてみた

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無痛分娩は陣痛や分娩の痛みを薬で和らげる分娩方法。

日本は世界に比べて無痛分娩の普及率が低く、正しい情報が知られていないのが現状だといいます。

1人目の子の出産のときに不勉強だった自分は、女性が妊娠・出産によって肉体的・精神的にどのように変化し、それに対応した適切なサポートをどうすればよいかということについてほとんど知識がありませんでした。妻には非常に申し訳ないことをしたと今でも反省しています。

本物の出産はよくドラマで描かれているような「女性が陣痛の痛みに一定期間耐えて、いきんだら赤ちゃんが産まれた」というような生易しいものでないことを、妻の出産に立ち会って初めて知りました。

妻の場合は入院後、朝昼夜とだらだら続く陣痛の激痛に約3日間耐え、体力的にも限界を迎え、もしかしたら赤ちゃんが産まれないのではないかという恐怖におびえ一時は絶望しながら、何とか気持ちを持ち直してやっとのことで産まれたという感じでした。

その様子を間近で見ていながら何もできない男の自分は本当に無力。

ただ、妻が陣痛で苦しむ姿を見て、出産による苦しみを和らげる方法が何かないのだろうかという素朴な疑問は持ちました。妻の場合はいわゆる高齢出産での初産でしたが、あそこまでの激痛に耐えなければいけないというのはあまりにも酷だと思ったのです。

そんなタイミングで知った「無痛分娩」

ちょっと調べていくうちに、もし妻が2人目を妊娠したら次は「無痛分娩」を考えてみるべきだと思うようになりました。

ちなみに、あとから聞いたことですが、妻は「無痛分娩」のことをもちろん知っていて少しは検討したらしいのですが、対応できる産婦人科が近所にはなかったため諦めたといいます。

時間的・精神的な余裕が少しでもある今のうちに調べておかなければ2人目が出来たときに手遅れになってしまうということもあり、「無痛分娩」についてまとめてみることにしました。

無痛分娩に対するイメージ

無痛分娩は「痛みが無い分娩(出産)」という字を書くので、夢のような方法にも思えますが、全く痛みがないわけではなく、また部分麻酔で行われるため赤ちゃんが降りてくる感覚は感じるそうです。 

▼「赤すぐ」11月号より

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この体験談にもある通り、無痛と言ってもしっかり陣痛の痛みは味わうものの、一番痛いとされる「いよいよ産まれる」という瞬間に麻酔が効いて、通常の分娩よりはラクに産むことができます。

ただ、無痛分娩の本当の意義は出産の痛みを和らげるということよりももっと別のところにありそう。それは出産後の育児に必要な体力を残しておくということです。

妻の出産時、「赤ちゃんが産まれた後は(育児で)もっと大変になるよ」とよく周囲の人から脅されたものです。実際その通りで、妻は予想外の難産で体力を使い果たし、ダメージの回復を待つ時間もなくノンストップ育児に突入。泣きっぱなしの新生児に「授乳、おむつ替え、着替え、授乳、おむつ替え、沐浴…」というお世話がエンドレスに続き、睡眠時間もロクに取れず発狂寸前。初めての育児で、まさかこうなるとは思いも寄らず、新生児のお世話や家事をする体力を少しは残しておくべきだったと後になってわかることになったのです。今だから夫婦であの頃はキツかったね~なんて話せますが、当時はまともに話せるような状態ではなかった気がします。

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ですから、出産後にやってくる育児に備えるためにも、痛みがなく出産の負担を軽減できるならこんな良いことはないのではないかと思うのですが、無痛分娩に対して消極的な考え方あるようです。

 

これは『コウノドリ』10巻の1シーンで、無痛分娩の麻酔が効いて眠ってしまった妊婦。(陣痛があると痛みで眠れないのです)この妊婦を見た助産師はあまり賛成できない様子。

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こちらは、『無痛分娩のすすめ』の冒頭部分。 

妊婦が実の母親に「私の時は無痛分娩なんてなかったわよ。楽して産もうとしてるんじゃないの」と言われています。

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妊婦の夫も「痛みを乗り越えてこその出産だと思うけどな~。麻酔なんて使ってラクしたら母性がわかなくなって子どもを可愛いと思えなくなるかもよ?」と言っています。

出産の痛みを経験したお母さんならともかく男がこんなことを言ったらマズイでしょ。

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このように無痛分娩に対する風当たりは意外に強いものですが、そもそも無痛分娩に対する正しい知識がなければ、なんとなくイメージで語ってしまうのも無理ないこと。

そもそも無痛分娩って何なのでしょうか?医療の専門家でない自分でも理解できるようにまとめてみました。

無痛分娩の方法、メリット・デメリット

無痛分娩の方法

無痛分娩にも何通りかありますが、今の主流は硬膜外麻酔による方法。

背中から脊髄神経の近くに向かってチューブ(カテーテル)を入れてそこから鎮痛作用のある薬を入れて陣痛を和らげます。

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これを見ると無痛にするための麻酔の処置が素人目でも大変そう。この無痛分娩にもメリットとデメリットがあります。

無痛分娩のメリット

無痛分娩のメリットを列挙すると

  1. お産への不安を減らせる
  2. 体への負担を減らせる
  3. 計画的に分娩できる

というものがあります。

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「無痛分娩のすすめ」には

  1. 陣痛、お産の痛みが軽くなる
  2. 産後の回復が早い
  3. 妊娠高血圧症候群や合併症のある妊婦さんに効果的

の3つがメリットとして挙げられていました。

やはり、陣痛、お産の痛みが軽くなることにより体の負担が減り、産後の回復も早いというのは、大変魅力的です。

無痛分娩のデメリット

一方デメリットもあります。

それは

  1. そもそも無痛分娩ができる産院が少ない
  2. イメージと違うことがある(想像していたより痛いなど)
  3. うまく陣痛がつかずお産が長引くことがある
  4. うまくいきめず吸引分娩になる確率が上がる

といったもの。

医療行為なので、リスクはゼロでないのでしょうが、そもそも無痛分娩できる産院が少なく見つけられないというのでは無痛分娩が広まらないのもしょうがないかもしれません。

ちなみに、小説家の川上未映子さんが書かれた『きみは赤ちゃん』には

出産は、最初に妊娠を確認してもらった病院じゃなくて、完全無痛がうりというかすべての、産院に決めた。

痛みを和らげる「和痛」じゃなくて、完全に、最初から最後までまーったく痛くなく、陣痛をいっさい味わわなくてもよい、「完全無痛」。日本ではここしかないんだぜ、というくらい徹底した無痛分娩で昔から有名な産院がわりに通いやすい場所にあって、なおかつ、友人の先輩妊婦、ミガンもこちらにかかっているので、「ここしかないやろ」という気持ちで電話をかけた。しかしここ、小さな個人産院かつ、かなりの高額であるにもかかわらず、とっても人気があるらしい。予約はいっぱいで無理かなーと思いつつ、運よく予定日のあたりに空きがあったみたいで、「来てください」との返事。ラッキーなことに受けつけてもらうことができ、そこでお願いすることにした。(22ページ)

とあります。川上さんは無痛分娩を選択されたようです。

日本において無痛分娩がポピュラーにならない理由については

…伝統的出産の理想、すなわち「痛み信仰」というものがひとつ、あるような気がする。

これは妊婦自身にある信仰じゃなくて、社会やまわりの人たちのムードに、ということ。

「おなかを痛めて生んだ子」

「痛みを乗り越えてこその愛情」

とか、その手の信仰を疑わないところで出産まわりの設計が長らくできあがってきていまもずうっと維持されているから、経済面&精神面のりょうほうにおいて、妊婦にはそもそも選択肢もないというか、そんな状態ではあると思う。

だって、わたしだってじっさい、「無痛分娩で生むんですよ」っていいにくかったもん。(66ページ)

と自身の経験を交えて書かれています。

無痛分娩てあまり耳にしないし、日本ではほとんど知られていないと言っていいかもしれませんね。

結局、川上さんの場合はこの後、子宮口がなかなか開かないといったトラブルもあり、出産が予定通りに進まず痛みのない無痛分娩にはならず、なんと帝王切開になってしまいます。

無痛分娩も万能ではなく、計画通りに進まず予想外のお産になってしまうリスクがあります。

ただ、出産後の妊婦の負担を考えると、特に高齢出産の場合は無痛分娩によって体力面への配慮も必要なのは明らか。

妊婦さん1人ではなかなかこの問題を考えるのは負担が大きいので、夫のサポート(要するにまずは本を読めということですが…)は不可欠だといえます。

来るべきときに備えて、わが家の結論を出すためにもう少し調べておく必要がありそうです。

赤すぐ 2015年 11 月号 [雑誌]

コウノドリ(10) (モーニング KC)

無痛分娩のすすめ

きみは赤ちゃん