スズコさんの「夫婦だけで育児なんかやっぱり無理ゲーでしたごめんなさい。」を読んで
少し前の記事ですが、イシゲスズコ (id:suminotiger)さんのこの記事を読んで、私も共感するところがありました。
生後すぐから6か月くらいまでは、私が仕事でいないため実質妻一人で本当に大変な思いをしながら育児をし、私が育休をとった今でもそれほどラクになっているようには見えないのですから、ましてやフルで働いているご家庭の場合は想像できないくらいだと思うわけです。
夫婦だけで育児なんかやっぱり無理ゲーでしたごめんなさい。 - スズコ、考える。
井桁容子さん「ありのままの子育て」
スズコさんの上の記事を裏付けるようなことが書かれた本をたまたま見つけました。
人間はアフリカで誕生し、地球上に広がったと言われています。はじめは木の上で生活し、次第に地上に降りてきたようですが、子育ては母親一人ではしていなかったと考えられており、集団で育ててきたという説が有力なようです。父親やおばあちゃん、つまり家族の存在というのも人間だけにあるそうですから、人間らしく育つには、色々な人のかかわりあいが重要であり、子育てが母親一人で頑張るものでないことの証明ともいえるでしょう。
…昔は、いろいろな人が助けてくれることが当たり前だったから子育てできたのです。無理に出歩かなくてもいいですが、お母さん一人で、子育ての大変さを背負い込むのは不自然なことなので、大いに誰かに助けてもらう方が良いと思います。
人間の赤ちゃんの特性に関する様々な研究によると、仰向けで落ち着いて過ごせることや皮下脂肪が多いこと、そして、大きな声で泣くことなどは、他人と関わりを持って育つためと言われており、子どもを集団で守り合って育ててきたからこそ、人間は生き残ってきたと考えられています。
つまり、「みんなで育ててきた」というよりも、「みんなで育てないと、人間らしく育ちにくい」というのが、人間の特性なのではないでしょうか。ですから、社会から遮断された密室で、お母さん一人に任された子育てが、難しく、つらくなるのは、当然のことなのです。決してお母さんたちは、子育てがうまくいかないのは、自分がダメな親だからと落ち込まないでください。
文脈がないのでわかりにくいかもしれませんが、井桁さんは「子育てを母親一人で背負い込むのではなく、その子の周りのいろいろな力を借りながら 、集団で守り合って育てていくべきだ」と繰り返し述べられています。
核家族化が進み、実家が地理的に遠い、親に頼れないあるいは頼りたくない、引っ越したばかりで地域に知り合いもほとんどいないとか、様々な事情で密室育児状態になりやすくなってしまっている今の日本では、集団で子育てするなんて夢物語で理想論にしか思えないのですが、でもそういう状況こそが問題の根っこにあるわけですね。
私も職場の上司に「両親に子育てを手伝いに来てもらえないのか」的なことを言われたとき、「両親との関係も様々で、協力を得られる家庭ばかりではないってことはなかなか理解されないのかな」と内心では思っていました。
私は、育児休暇を取ったお父さんが、一人で子どもを任されたときに育児不安になったという話をたくさん聞いています。この事実は、お母さんに代わって誰かが赤ちゃんを育てればいいというのではなく、子育ては、一人でするものではないということの証明なのです。
「子育てが楽しめない」と嘆くお母さん。それは、「一人で頑張らないで!誰かに助けてと言っていいですよ」というシグナルです。そのことをぜひ、知っておいてください。
お母さん一人だけが育児をがんばって無理をしているような状況ではいずれ破たんし、子どものためとがんばっているにもかかわらず結局家族みんなにとって悪い結果になってしまう。
そうならないように、「一人で頑張らないで!」というわけです。
私の妻もそうですが、お母さんは泣き言も言わず一人で頑張ってしまいがち。
そんな様子を察して、うまくサポートしてあげられるような夫でありたいと思って、試行錯誤の毎日です。