最近書いた記事の中で、1歳5か月になったちぇぶちゃんがトイレットペーパーやティッシュボックス、コロコロ、フタ付フライパンといった身の回りのもので楽しそうに遊んでいるということを書きました。
親がいろいろ真面目に考えて渡したおもちゃよりも、身の回りにある日用品とか雑誌の付録のほうが赤ちゃんからすると面白かったりするわけですね。
このことがちょうどいいきっかけになったので「0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児」の「1歳4か月から7か月まで」の赤ちゃんの遊びに関する部分を読み直してみました。
この「1歳4か月から7か月まで」の章のサブタイトルは「質問や指示はいけません」となっています。これは一体どういう意味なんでしょうか?
■(語りかけ育児を)始める前にチェックすること
どんなに強調しても、したりない注意事項は、「静かな状態をつくること」です。
子どもは、聞きたい音だけを選んで他の音を無視する力が、まだ確立していません。まわりが静かでないと、この力が身につきません。
テレビ、音楽、ラジオ、電話、みんな消してあるのを確かめてください。
家の中にいる人にも、本当に緊急の場合以外はじゃましないように言いましょう。
(中略)
あまり気が散らないですむ環境にいる赤ちゃんでも、注意力の発達には大きな差が出てきます。それはおもちゃの与え方によってうまれるのです。気が向けばつぎつぎにおもちゃをかえていけるように、たくさんのおもちゃを置くことは大切ですが、多すぎて気が散る環境になることとのバランスを、よく考えてみなければなりません。
私は赤ちゃんが遊べるようにたくさんのおもちゃを置いておくときには、床に遊べるスペースを十分に空け、おもちゃをうまく配置して、赤ちゃんが全部を床にばらまかなくても、何があるかすぐわかるように心がけています。
探索遊びとふり遊びが両方できるようなおもちゃを、与えるようにしましょう。形を分類できるもの、積み木、パズル、人形、音を出すもの、数冊の本などです。(216ページ)
◆赤ちゃんの注意しているものに気づきましょう。
お母さんがどのくらい同じものに注目しているか、それがこどものことばの学習にはいちばん大切なことです。そして、注意するものをこどもが自分から選ぶことが大切です。
(中略)
こうしたことが、こどもに及ぼす影響については、たくさんの研究があります。おとながこどもの注意に合わせれば合わせるほど、こどもはことばをどんどん覚えていくということははっきりしています。
(中略)
こどもがいま、何に関心を向けているかを見つけて、それについて話しましょう。物の名前を知りたがっているなら「それはカバよ」、何かをやってもらいたがっているのなら、「ブーブーをジャンプさせようか?」、何が起こったのか知りたいと思っているのなら「こわれちゃったのかしら?」と説明できます。
赤ちゃんは身振りや表情でとてもうまく考えていることを伝えてきます。自然にまかせて、こどもがやりたいだけいろいろなものに注意を向けさせましょう。
ただし、今後もずっと赤ちゃんペースというわけではありません。この時期を自分のペースで過ごせたこどもは、そのうちにおとなの指示にすばやく従えるようになります。(220ページ)
何よりも大切なのは、「語りかけ育児」の時間には質問や指示はまったくしないということです。こどもが興味を持っていることについてだけ、話すようにしてください。
(中略)短い文を使うことは、本当に大切です。どんどん長くしないようにしてください。順調に発達していたのに、長い文章をあびせかけたせいで発達が頭打ちになったこどもを、私はクリニックでたくさん診てきました。(222ページ)
「質問や指示はいけません」の意味は、「語りかけ育児」の時間に親の側から質問や指示をするのではなく、こどもが何に興味を持っているかよく観察してそのことについてだけ話すということのようです。
この「赤ちゃんの言いたいことに応える」については、『間違いだらけの子育て―子育ての常識を変える10の最新ルール第10章「言葉を覚える早道を誤るな!」にもこんな記述がありました。
最 新の科学的研究に学ぶ最も重大なことをひとつ挙げるならこれだ。"基本的なパラダイムはくつがえされた"。何よりも肝心な情報は、おびただしい言葉を赤 ちゃんの耳に注ぎ込むことではなく、赤ちゃんから流れ出してくる情報、つまり赤ちゃんが口と目を使って伝えようとしていることを汲み取り、それにふさわし い反応を返すことだと言う。
(中略)
つまり、赤ちゃんの言葉を促すメカニズムのひとつは親のおしゃべりなどではないということ。赤ちゃんが親から聞かされる言葉ではなく、親がタイミングのよい愛情のこもったスキンシップとともに示す反応なのである。(244ページ)
「0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児」に戻るとこんな記述もありました。
◆くり返しをたくさんしましょう。
まだ、くり返しはとても大切ですから、同じことばを違う文、違う場面で使います。こどもにそれぞれのことばの意味をわからせるためにも、また音を何回も聞くことで正しく覚えられるようにするためにも欠かせません。
◎同じ言葉をいろいろな文中に使います。
「ゾウさんがいるわ。ゾウさんは大きいね。大きなゾウさん」◎名前を言う遊びはまだ役立ち、楽しめます。
この時期の赤ちゃんはこういうくり返しが大好きです。「クマちゃんのおはな。クマちゃんのおみみ。クマちゃんのおめめ。サリーのおはな。サリーのおみみ。サリーのおめめ。」◎日常の習慣もくり返しにうまく使えます。
寝るときには「ズボンをぬいで、ソックスぬいで、シャツをぬいで」、お風呂なら「おててを洗って、おかおを洗って、あんよを洗いましょ」。(228ページ)
同じことばを違う場面、違う文でくり返し使うというのなら自分でもできそうです。
他にもたくさんのポイントが書かれていますが、まずはこのくり返しの語りかけからやってみようかな。
0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児
間違いだらけの子育て―子育ての常識を変える10の最新ルール
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