「悪かったよ」の一言で大ゲンカ
0歳の赤ちゃんのいる夫婦のある日の出来事。
赤ちゃんが深夜(午前2時半ごろ)モゾモゾして起きかけていることに気付いた妻が、「おっぱいをやってる間、念のためミルクを作ってきてくれない?」と夫に頼んだときのこと。
夫「(不機嫌そうに) ん。」
と言って起き上がり台所へ
妻「そのふてくされた態度は何なの?」
と激怒!
夫「ミルクを作りに行っただけだろ」
妻「どうしてそういう行動をして私をムカつかせるの?」
夫「悪かったよ。」
妻「悪いと思ってないじゃないの。ちゃんと謝りなさいよ。」
と険悪なムードになり、この後、赤ちゃんが寝ている横で朝まで不毛な言い争いが続く。
夫はどうすればよかったのか
こんなやりとりがある夫婦の間でありました。
ポイントは夫の「悪かったよ。」の一言。
妻は、「それは全然悪いと思ってないから、そういう言い方になるのよ。謝るならちゃんと謝って。」という言い分。「悪かったよ」=「ごめんなさい」とは感じられないのです。
対する夫は、「自分が悪いと思って悪かったと言ってるのだから、謝っているのと同じだろ。」と思っています。
整理すると、
夫:夜起こされ寝起きでボーっとしていたせいか、妻に対して大人げない行動を取ってしまう ⇒ 妻に態度の悪さを指摘され、俺だって夜起きてがんばろうと努力しているのにと逆ギレ ⇒ 謝罪の気持ちはないにも関わらず、その場しのぎで「悪かったよ。」の一言。
妻:私は授乳や育児、家事で疲れていて、今は育休中であなたは次の日仕事もないから起こしてもいいかしらと思って夜のミルクを頼んだのに、そのことがわかっていないと夫に指摘する(怒ってはいなかったらしい) ⇒ 夫の(謝罪する気なし風の)「悪かったよ。」の一言で「コイツ何もわかってねえな」と思い突然怒り出す。
こんな感じですね。
この夫にとっては酷ですが、妻が言ってることはもっともで、夫の妻に対する思いやりが欠けていたと考えられますね。
なぜなら、夫の取った行動は大人げなく、そもそもそういう態度をとってしまったことが、ホルモンバランスの変化などで不安定になりやすい産後のママのことをきちんとわかっていなかったという証拠だからです。ただ、後から振り返ってみれば冷静に考えることができたとしても、深夜に起こされてボーっとしているときには感情的になってもしょうがないんじゃない?と言う点で、夫の方にも情状酌量の余地があるでしょう。
いや、しょうがないと言ってるようではダメか。
妻は育児(特に授乳)で疲れているはずだから、夜のミルクのときは動ける夫(特に育休を取っている場合)がやるべき
というように前もって考えることができていれば、事態は悪化しなかったはずです。
産後の夫婦関係を良好に保つことはそうたやすいことではないと夫は身を以て知ったのでした。
ちなみに、以上の内容は夫に対してあまりにも厳しすぎる要求だと考えることもできます。なぜなら、産後ママはホルモンの関係で眠りが浅くなり、赤ちゃんのちょっとした動きや泣き声にも敏感になり、ママがいつもよりずっと目覚めやすい体質になっている一方、パパの体質には何の変化も起きないからです。パパがママよりも赤ちゃんの泣き声に鈍いのは、脳の仕組みという脳科学的な見方で証明されているそうで、もしママがずっと黙っていたら、パパはいつまでたってもママの気持ちに気づくことはないかもしれないのです。(参考人気小児科医が教える! 赤ちゃんとママがぐっすり眠れる安眠レッスン)
結局は、夫婦間でどうしていくか話し合って決めていくしかないのだと思います。