今日は仕事関係の話。日商簿記検定について少し書いてみます。
今後試験範囲が変更され、第143回試験以降は問題が難しくなってしまうかもしれないこと、第141回試験が難しかった反動で次の回の試験は問題がやさしくなり合格率が上がる可能性があるという2つの要因から、2月に実施される第142回日商簿記検定試験はチャンスだという話を以前書きました。(30歳、40歳から始める簿記のすすめ。簿記の資格をとるなら今がチャンスですよ!)
結局、昨年12月に発表された第141回日商簿記2級試験の最終的な合格率は 11.8%となり、これは第101回試験以降で2番目に低い数字でした。試験直後の予想通り、第141回試験は非常に合格が難しい回となってしまいました。
さらに6月の第143回試験からは日商簿記2級の範囲が変更となり、試験問題がどのようになるのか予断を許さない状況。受験生は不安な思いを抱えたまま試験を受験しなければならなくなります。
そう考えていくと、もし今簿記の資格を取りたいなら、次(2月)の第142回試験に何としても合格しておきたいところ。
そこで、今回は第142回日商簿記2級に確実に合格する勉強法についてまとめてみたいと思います。
独学か講座か
今から試験までおよそ40日。
まだまだあきらめるには早いという時期です。勉強の開始がちょっと遅れて出遅れてしまったと感じられている方でも、今なら十分挽回することができます。
ただ、テキストや問題集を使って自分ひとりで勉強する独学だと、講座を受講する場合と比較して学習内容を理解するのが遅れたり、理解が誤っていたり不十分になってしまう可能性があるため、可能なら講座を受講して勉強するほうがよいです。
しかし、もう時間がありません。
そこで、独学と講座受講の中間形態のようなスタイルで合格を目指すのが現実的でおすすめです。
資格試験業界最大手のTACから出ている独学道場は、テキスト、問題集とコンパクトな講義DVDがセットになっています。独学に必要な書籍代にちょっと金額を上乗せするだけで、独学では誤解しがちなポイントをきちんと押えることができるため、おすすめです。
独学道場の2コース
独学道場には実はコースが2つあります。
コースによってテキスト・問題集が異なっていて、教科書コースでは「簿記の教科書」というテキスト、「簿記の問題集」という問題集を使用します。
これに対して、スッキリコースでは、一番人気のある「スッキリわかる」シリーズのテキスト・問題集を使用します。
教科書コース
教科書コースの教材は
- 簿記の教科書 日商2級 商業簿記
- 簿記の教科書 日商2級 工業簿記
- 簿記の問題集 日商2級 商業簿記
- 簿記の問題集 日商2級 工業簿記
- 簿記の教科書DVD 日商2級 商業簿記
- 簿記の教科書DVD 日商2級 工業簿記
- 問題演習DVD 日商2級 商業簿記・工業簿記
と直前対策の
- あてるTAC直前予想日商簿記2級(1冊)
- 無敵の簿記2級 直前総まとめ(1冊)
- TAC日商簿記2級 無敵の予想大会(1回)
- 日商対策 的中答練2級(4回)
- 資格活用DVD 2級編
となっています。
スッキリコース
スッキリコースの教材は
- スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
- スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
- スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記2級
- スッキリわかる講義DVD 日商簿記2級 商業簿記
- スッキリわかる講義DVD 日商簿記2級 工業簿記
と直前対策の
- あてるTAC直前予想日商簿記2級(1冊)
- 無敵の簿記2級 直前総まとめ(1冊)
- TAC日商簿記2級 無敵の予想大会(1回)
- 日商対策 的中答練2級(4回)
- 資格活用DVD 2級編
となっています。
書籍との相性もあるので、できれば書店で立ち読みして中身を確認してから決めるのが一番ですが、時間がないという方は、ちょこっと辛口なAmazonレビューを参考にして決めるというのでも十分だと思います。
スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第7版のレビューを読む
スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第4版のレビューを読む
合格するための勉強の進め方
日商簿記2級試験の配点は商業簿記60点、工業簿記40点の合計100点満点です。
商業簿記の配点割合の方が大きいため、商業簿記を一生懸命勉強される方が多いのですが、実は工業簿記は商業簿記よりも簡単で得点源にしやすいという特徴があります。
そこで試験まで時間がない直前期は、工業簿記を特に重視して勉強を進めるのがおすすめです。
…というわけで、勉強する順番は
- 工業簿記
- 商業簿記
というように、工業簿記から先にやるようにしましょう。
具体的には、講義DVDも確認しながらまず工業簿記のテキストを読み進めていき、工業簿記の仕訳を確認します。勉強の際には、必ず紙に仕訳を書いて手を動かしながら勉強するようにしましょう。
途中、多少理解が不十分なところがあっても気にせず最後まで終わらせます。
工業簿記が終わったら、商業簿記も同じように一通り終わらせます。
DVDとテキスト読みが終わったら、問題集に移り、どんどん問題を解いていきます。
簿記は問題を何問解いたかによって実力がついていくので、この問題を解くという作業が一番重要です。勉強して間もないと、わからない問題が出たときに悩んで時間を使いがちですが、ちょっと考えてみてわからないときはすぐにあきらめて、いさぎよく解説を読むようにしましょう。
解説を読むときに「ここは解けなかった後でもう一度」などとメモを残しておくだけでも、試験直前期の見直しに便利です。
…というわけで
- 工業簿記から始める
- とにかく問題を解く
というポイントに注意して、勉強を進めていってください。
簿記の勉強を始めるにあたって準備しておきたいもの
簿記の試験では、教科書類を見ることはできませんが、電卓を使用することが認められています。
すでに電卓を持っているという方は大方それで用が足りると思いますが、この機会にいい電卓を用意したいという方には次の電卓をおすすめします。
学校専用実務電卓
AZ-26Sという型番の電卓。学校用なので、家電量販店などでは売っていません。
カシオ 本格実務電卓 検算・税計算 ジャストタイプ 12桁 JS-20WK
学校用にこだわらないという方は、AZ-26Sとほぼ同等のJS-20WKがおすすめです。
カシオ 本格実務電卓 検算・税計算 ジャストタイプ 12桁 JS-20WK-PK
誰でも簿記の基本を学ぶことができる日商簿記3級について
簿記の試験には特に受験資格がないので、いきなり2級を受けたり1級を受けたりすることができます。ただ、簿記の試験範囲は3級、2級、1級と積み重ねになっているので、勉強自体は3級から始める必要があります。
簿記の基本を学べる3級の教科書で初心者にもわかりやすいものとしては、「文系女子のためのはじめての日商簿記3級」がおすすめです。その他、読んで面白い教科書がいろいろ出ています。本屋さんで手に取ってみて、フィーリングが合うものを選ぶといいと思います。
簿記を学んだことのない自称・文系女子の妻(法学部出身)にも勧めてみましたが、「文系女子のための~」はなかなか面白かったと話していました。
文系女子のためのはじめての日商簿記3級 合格テキスト&仕訳徹底マスター問題集
以上、合格しやすくなるはずの第142回日商簿記2級に確実に合格する勉強法でした。興味のある方は参考にしてみてくださいね。